米国市場、史上最高値更新も、信頼感は景気後退水準に

米国株式市場は連日史上最高値を更新しているが、国民のムードは決して楽観的ではない。
主なポイント
- 経済学者 David Rosenberg は、記録的な株式資産が深刻な経済的脆弱性を隠していると警告。
- 米国の中央値株式ポートフォリオは $30万 を超え、2020年以降3倍に増加。
- 市場急騰にもかかわらず、消費者信頼感は景気後退期の水準に急落。
経済学者 David Rosenberg は、最近のラリーが深刻な不均衡を隠していると指摘する。ウォール街の好況とメインストリートの悲観的な見通しが鮮明に対照されているという。
新たな富の幻想
ミシガン大学のデータによれば、典型的な米国家庭の株式保有額は現在 $30万 を超え、過去最高を記録している。この数値は2020年のパンデミック初期から3倍に増加しており、株価上昇が家計資産を名目上大きく膨らませたことを示している。
しかし、この繁栄が楽観的な心理につながっているわけではない。Rosenberg によれば、米国人は過去70年間のいかなる景気後退時よりも自らの財務状況に悲観的に感じている。この乖離は、幅広い所得の増加ではなく、資産価格の上昇によって経済が支えられていることを示している。
Not a bubble? The chart below seems to illustrate it. For the first time ever, the median value of equities on personal balance sheets has topped $300,000 – more than tripling since April 2020. Meanwhile, consumer sentiment is lower today than the lows of all eleven recessions… pic.twitter.com/CT67kNcFxj
— David Rosenberg (@EconguyRosie) November 7, 2025
景気後退水準の消費者心理
ミシガン大学の調査で測定される消費者信頼感は、主要な経済収縮期に見られる水準まで急落している。歴史的に、信頼感と資産は共に動く傾向があった — 景気拡張期には上昇し、景気後退期には下落。しかし2020年以降、このパターンは崩れた。資産は急増した一方で心理は急落し、Rosenberg はこれを「脆弱な繁栄の幻想」と呼んでいる。
市場頂点の警告サイン
2008年の金融危機を予測した数少ない経済学者の一人である Rosenberg は、現在の乖離を警告の兆候と見なす。彼によれば、名目上の富と実際の心理のギャップは、大規模な市場調整の前によく現れる。
「資産インフレは経済を一時的に支えることはできるが、」と Rosenberg は今年初めに記述、「信頼感、賃金、成長の代替にはならない。」今日の市場の強さは、基礎的なファンダメンタルズよりも投機と流動性によって支えられていると彼は指摘する。
警告にもかかわらず上昇する株式
こうした懸念にもかかわらず、S&P 500 は最近 6,700 ポイントを超え、絶え間ない上昇を続けている。強気派はこれを回復力の証拠と見るが、Rosenberg のような懐疑派は膨張するバブルと見なしている。
9月、彼は米国株式が利益で裏付けられない極端な評価水準に達し、「バブル領域」に入ったと警告した。株式ポートフォリオが史上最高値を更新する一方で、心理は新たな低水準に達しており、彼の警告は時宜を得ているように見える。
脆弱な基盤
Rosenberg の分析の要点は単純である:好調な市場は必ずしも健全な経済を保証するものではない。信頼感と富のギャップ拡大は、現実が追いつく前に市場が最後に発する警告である可能性がある。
歴史を見れば、楽観と過大評価に基づくピークはしばしば突然に終わる。
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