マーケットウォッチ:AIパートナーシップが11月のテクノロジー株楽観を後押し

ウォール街は11月に入り、技術株への資金流入が再燃。今年市場を支配した人工知能(AI)テーマが再び注目を集めた。
今回のラリーは、AmazonとOpenAIの380億ドルパートナーシップが契機となった。契約によりOpenAIはAWSクラウドインフラと数十万のNvidia GPUを7年間利用可能。Amazon株は発表後4%以上上昇し、「Magnificent Seven」と呼ばれる大型テック株群も約2%上昇した。
しかし市場全体は技術株中心の動きに追随できず、S&P 500の400銘柄以上が下落。今年のラリーが少数のAI主導企業に集中していることを示す。それでもUBSのアナリストは、広範な強気市場は維持されていると指摘。UBS Global Wealth ManagementのUlrike Hoffmann-Burchardi氏は「市場の強さにはまだ拡張余地がある」と述べた。
AI投資の新たな波
Amazon-OpenAI発表に先立ち、世界の技術エコシステムでは大規模AIインフラ契約が続出。MicrosoftはオーストラリアIREN Ltd.と97億ドルのAI計算契約を締結し、最大顧客に。さらにUAEデータセンター79億ドル拡張計画を発表、米国輸出承認で最新AIチップ導入が可能に。
Nvidiaは依然AIの中心企業。時価総額5兆ドル超えを達成後、Loop Capitalは株価目標350ドルを設定、GPU需要加速への市場の期待を反映。
AlphabetとCiscoも投資拡大。Alphabetは米欧で合計220億ドルの債券発行でAI開発資金を調達、Ciscoは医療・小売現場で即利用可能な小型AIハードウェアを投入。
M&Aと企業再編
AI以外でもM&Aが活発化。Kimberly-ClarkはJohnson & Johnsonから分社したKenvueを400億ドルで買収、コンシューマーヘルス市場で自信を示す。PfizerはNovo Nordiskとの法廷闘争を再開、肥満治療市場の独占を阻止。
EatonはAIデータセンター向け冷却システム需要を見込みBoyd Thermalを95億ドルで取得。SM EnergyはCivitas Resourcesと28億ドルの株式交換合併、米シェール市場の統合を継続。
金鉱企業も動き、Coeur MiningはNew Goldを70億ドルで買収、産出拡大を狙う。BPは米シェール資産15億ドルをSixth Streetに売却、レバレッジ低下と投資家信頼回復を目指す。
市場スナップショットと見通し
中間取引でS&P 500は6,850ポイント前後、10年国債利回りは4.11%に上昇。ドルもやや強含み。
注目はPalantir Technologiesの四半期決算。株価は過去12か月で約385%上昇、AI防衛・分析契約の拡大が背景。
市場参加者はAI熱狂の過熱を議論するも、センチメントは依然として強気。投資家は次の技術革新の波に乗る意欲を示しており、11月はテックセクターにとって再び重要な月となる見込み。
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