売り圧力の高まりでビットコインが10万ドルを下回るリスク

最近10万ドル台を維持してきたBitcoin(ビットコイン)だが、その安定は限界に近づいていると主要アナリストが警告している。売り圧力が強まり、投資家心理が弱気に傾く中、さらなる下落リスクが浮上している。
- アナリストは、投資家心理の悪化によりBitcoinが10万ドル以上を維持できない可能性を警告。
- BloombergのMike McGlone氏は、11万ドル付近のテクニカル抵抗線を重要レベルとして指摘。
- 暗号資産市場は株式市場に劣後しており、投資家が安全資産へと資金を移している兆候。
ここ数週間、長期保有者(ロングタームホルダー)がポジションを縮小し始めており、Bitcoinを長く支えてきた投資家の間にも警戒感が広がっている。ファンドマネージャー兼市場アナリストのJames Lavish氏によると、わずか1か月の間に長期投資家がBTCを40万枚以上売却したという。この数字は、市場のセンチメントがわずか数週間で楽観から警戒に急変したことを示している。Lavish氏は「Bitcoinに対する心理は過去最低水準に近い」と述べている。
McGlone氏、テクニカル的な崩れが下落を加速させる可能性を警告
Bloombergのシニア市場ストラテジストであるMike McGlone氏は、Bitcoinが10万ドル台を維持しようとする最近の試みが間もなく失敗する可能性が高いと警鐘を鳴らした。彼は、これまでサポートラインだった水準がレジスタンスに転じており、相場の分岐点になる可能性があると指摘している。
McGlone氏によれば、今月初めにBitcoinが200日移動平均線を下回ったことはモメンタムの転換点を示す重要なシグナルだという。「Bitcoinが10万ドルを長く維持することは難しいだろう」と述べ、11万ドルを主要なレジスタンスレベルとして挙げた。同氏は、現在の売り圧力が続けば11月10日までにBitcoinが10万ドルを割り込む可能性があると警告している。
広範な市場の弱さが追加の圧力に
McGlone氏は、デジタル資産と伝統的な金融市場の間に広がる乖離にも注目している。主要暗号資産を追跡するBloomberg Galaxy Crypto Indexは2025年に入り約1%下落したのに対し、S&P 500は約16%上昇している。この鮮明な対比は、経済的不確実性の中で投資家が株式や金などの安全で流動性の高い資産を選好していることを示している。
さらに、代表的な上場暗号資産関連企業であるStrategy社の株価が急落し、機関投資家の暗号資産分野への関心が冷え込みつつあるとの懸念も高まっている。アナリストたちは、トークンや暗号資産関連株の調整が、新たな上昇トレンド前の長期的な停滞期を示唆している可能性があるとみている。
市場の安定化を待つ投資家
慎重ムードが強まる一方で、一部のアナリストは今回の弱含みが長期的には健全な調整につながる可能性があると見ている。冷却期間を経て投機的過熱が解消されれば、Bitcoinが次の上昇局面に向けてより安定した基盤を築くことができるという見方だ。
今、市場の注目はBitcoinが心理的な節目である10万ドルを守り抜けるかに集まっている。この水準の維持は、年末にかけた市場のトーンを左右する可能性が高い。
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